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住宅ローンを比べるとき、多くの方が金利だけを見ます。しかし同じ「変動金利0.5%」でも、銀行によって中身が違います。 ■ 金利以外に効いてくる項目 ・保証料 外枠か、金利に含まれるか、無料か ・事務手数料 定額か、借入額の2.2%といった定率か ・団体信用生命保険の保障範囲 死亡・高度障害のみか、がんや三大疾病まで含むか ・繰上返済の手数料と最低金額 ・変動金利の見直し方法(後述) ・審査の柔軟性と所要期間 ・相談窓口の有無 事務手数料の差は小さくありません。借入3,000万円で2.2%なら66万円です。金利が0.05%低くても、この差を取り返すには長い年数がかかります。 ■ 三者の特徴 ネット銀行 金利水準が最も低い傾向にあります。人件費と店舗費がかからないためです。事務手数料は定率が多く、保証料は無料で手数料に含める形が一般的です。 団信の保障が手厚い商品が多いのも特徴です。がん診断で残債が半分になる、といった上乗せが無料で付く場合があります。 一方、審査は画一的です。属性が基準に合えば通り、外れると通りません。手続きは原則すべて自分で進める必要があり、対面での相談はできません。審査に時間がかかることもあり、売買契約の期限に間に合うか注意が必要です。 メガバンク 金利はネット銀行よりやや高いことが多いものの、総合的な条件では競争力があります。給与振込口座があるなど取引状況によって優遇される場合があります。 審査は安定しており、大企業勤務、公務員、専門職といった属性に強みがあります。手続きの確実性と処理速度は安心材料です。 地方銀行・信用金庫 金利は必ずしも低くありませんが、審査の柔軟性が最大の武器です。 地元企業に勤めている、その地域に長く住んでいる、取引実績がある。こうした事情を評価してもらえます。転職直後、勤続年数が短い、自営業といった、ネット銀行の基準から外れる方でも相談に乗ってもらえることがあります。 対面で担当者と話せるため、事情を説明できる点も大きな違いです。 ■ 変動金利の見直しは、銀行によって違う ここが最も知られていない論点です。 多くの金融機関では、変動金利に次の仕組みがあります。 5年ルール 金利が変わっても、5年間は毎月の返済額を変えない。返済額のうち元金と利息の内訳だけが変わる。 125%ルール 5年ごとの見直しで返済額が上がる場合も、直前の1.25倍を超えない。 この二つは、急激な返済額上昇を防ぐ仕組みです。ただし利息が増えた分が消えるわけではありません。返済額が据え置かれた結果、元金が減らず、最終回にまとめて残る(未払利息が生じる)可能性があります。 そして重要な点として、これらのルールを採用していない金融機関があります。ネット銀行の一部では、金利が変われば返済額もその都度変わる方式を採っています。 どちらが良いかは考え方によります。 ・5年・125%ルールあり 当面の家計が安定する。ただし負担の先送りになりうる ・ルールなし 金利上昇がすぐ返済額に反映される。家計への影響は早いが、元金は確実に減る 金利上昇局面では、この違いが実感として効いてきます。契約前に必ず確認してください。 ■ 金利の見直し時期にも差がある 変動金利は、多くの銀行で年2回(4月と10月)の基準日で見直され、その後の返済から反映されます。この時期や反映のタイミングも銀行によって異なります。 また、変動金利の基準となる短期プライムレートに連動するのか、独自の基準を用いるのかも銀行ごとに違います。 ■ 団信は「無料の生命保険」ではない 団信の保障が手厚い商品は魅力的ですが、上乗せ金利が必要な場合があります。年0.2%の上乗せは、借入3,000万円・35年で総額100万円を超えることもあります。 すでに加入している生命保険と保障が重複していないか、確認する価値があります。逆に、団信で保障される分だけ生命保険を減らせるなら、実質的な負担は下がります。 なお、健康状態によっては団信に加入できない場合があります。その場合はワイド団信(引受基準緩和型)や、団信の加入が任意であるフラット35という選択肢があります。 ■ 比較の手順 1 借入額と返済期間を決める 2 各行の「金利+事務手数料+保証料」で総支払額を出す 3 団信の保障範囲と上乗せ金利を確認する 4 変動金利の見直し方法(5年ルール・125%ルールの有無)を確認する 5 繰上返済の条件を確認する 6 審査の所要期間が、売買契約の期限に間に合うか確認する 最後の点は実務上とても重要です。条件が良くても間に合わなければ意味がありません。仮審査は複数行に同時に出しておくのが安全です。 ■ 一行に絞らない 金利は常に変動し、キャンペーンも入れ替わります。物件を探し始めた段階で仮審査を2〜3行に出し、本審査の直前に条件を比べ直すのが実務的です。 仮審査の申込は信用情報に記録されますが、通常の範囲であれば不利にはなりません。短期間に極端に多数へ申し込むことだけ避けてください。
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