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住宅ローンの審査に落ちる理由の多くは、「返せないから」ではありません。「その銀行の基準に合わなかったから」です。 同じ人が、A銀行では否決され、B銀行では満額承認されることは普通に起こります。 ■ 銀行は何を見ているか 主な審査項目は次のとおりです。 ・返済負担率 年収に占める年間返済額の割合。年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下が一つの目安 ・勤続年数 1年以上を求める銀行が多い。3年以上を条件とする場合もある ・雇用形態 正社員、契約社員、派遣、自営業で扱いが変わる ・信用情報 クレジットカードや他のローンの延滞履歴 ・他の借入 カードローン、自動車ローン、奨学金、スマートフォンの分割払い ・健康状態 団信に加入できるか ・物件の担保評価 その物件にいくらの価値を認めるか 見落とされやすいのが他の借入です。カードローンの契約が残っているだけで(借りていなくても)、限度額を借入とみなす銀行があります。 またクレジットカードのリボ払いや、スマートフォン端末代の分割払いも借入として扱われます。心当たりがあれば、申込前に整理してください。 ■ 銀行ごとの得意な顧客像 ネット銀行が得意とする方 ・正社員で勤続年数が長い ・上場企業、大企業、公務員 ・年収が安定していて、他の借入がない ・自分で書類を用意し、手続きを進められる 基準が明確な代わりに、例外を認めません。条件に合えば最も有利な金利で借りられます。 メガバンクが得意とする方 ・大企業、公務員、医師や弁護士などの専門職 ・給与振込などの取引実績がある ・借入額が大きい(都心の高額物件など) ・手続きの確実性と速さを重視する 地方銀行・信用金庫が得意とする方 ・その地域に居住、または勤務している ・地元企業に勤めている ・勤続年数が短い、転職直後 ・自営業、フリーランス、経営者 ・過去に金融事故があるが、現在は整理済み 対面で事情を説明できることが最大の利点です。「転職したが同業種でキャリアアップだ」「自営だが3期とも黒字だ」といった説明は、書類だけでは伝わりません。 フラット35が向いている方 住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する全期間固定金利のローンです。 ・自営業、フリーランスで、確定申告の所得が低めに出ている ・勤続年数が短い ・健康上の理由で団信に加入できない(フラット35は団信加入が任意) ・金利上昇リスクを完全に避けたい フラット35は「人」より「物件」を重視する傾向があります。技術基準に適合する物件であることが条件です。 ■ マッチングサービスという選択肢 近年、複数の金融機関へ一括で打診できるサービスが増えています。 クラウドローン 借りたい条件を登録すると、金融機関側から提案が届く仕組みです。自分から申し込む前に、どこが受け入れる可能性があるかを把握できます。地方銀行や信用金庫の商品も含まれるため、自力では見つけにくい選択肢に出会えます。 モゲチェック、住宅ローン比較サービスなど 条件を入力して、通る可能性の高い金融機関を提示するサービスです。オンラインで完結する申込支援まで行うものもあります。 インバース 不動産・金融領域のサービスとして名前が挙がりますが、提供内容は変わることがあります。利用前に公式サイトで内容をご確認ください。 これらのサービスを使う利点は、正式申込の前に感触をつかめることです。むやみに複数行へ本申込を出すより、効率的で信用情報への影響も抑えられます。 ■ 落ちたときにやるべきこと 1 理由を推測する。銀行は理由を教えてくれないことが多い 2 信用情報を自分で取り寄せる。CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターで開示請求できる 3 他の借入を整理する。カードローンは解約、リボ払いは一括返済 4 勤続年数が足りないなら、地銀・信金またはフラット35を検討する 5 借入額を下げる。頭金を増やす、物件価格を見直す 6 収入合算やペアローンを検討する(ただし将来の解消が難しい点に留意) ■ どこへ行けばよいか、簡単な指針 まず自分の状況を確認してください。 ・正社員、勤続3年以上、他の借入なし → ネット銀行から。最も低い金利を狙える ・大企業・公務員で借入額が大きい → メガバンクとネット銀行を併願 ・勤続が短い、転職直後 → 地銀・信金に相談。マッチングサービスも有効 ・自営業、フリーランス → フラット35と地銀・信金。確定申告3期分を用意 ・健康上の不安がある → ワイド団信のある銀行か、フラット35 ・どこが可能性があるか分からない → マッチングサービスで感触をつかむ ■ 最後に 住宅ローンは、通ることが目的ではありません。無理なく返し続けられることが目的です。 限度額いっぱいまで借りられたとしても、それが適正額とは限りません。金利上昇、収入減少、教育費の増加といった変化に耐えられる水準に留めることをお勧めします。 借入可能額と、借りるべき額は別のものです。
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